報告が遅くなりましたが、びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第5回目に参加してきました。
講師はフューチャーベンチャーキャピタルの木村美都氏。 題目は「資金調達と資本政策」
今回はこれまでと違い、講義そのものといった感じでした。上場を目指す会社に対する資本政策が講義の中心で、こういた講義は創業段階ではなかなか聞く機会がないので、よい機会となりました。 木村氏は自分自身も起業に携わり投資を受ける立場となったこともあり、現在はVCで投資をする立場にあるという、投資を受ける側与える側の両者を経験したことがあるという稀有な方です。 ですから、VCの利益や実績を優先して投資をするというスタンスではなく、どのような戦略でどのようなタイミングで増資をするのが、その企業にとってひいてはVCにとって有効であるのかという視点で投資をされています。この基本的な方法論として、資本政策があるわけです。
資本政策とは株主構成と資金調達に関する長期計画のことです。株式会社は株式を発行して増資をするわけですが、それに伴い社長や役員の株主比率が低下します。社長や役員が2/3以上の株式を保有していれば、高い議決権を持ち自分が好きなように経営できます。そこまでいかなくても過半数を持っていれば、自分たちだけで会社の経営権を確保できます。しかし、それを下回れば大株主のコントロール下に置かれる可能性があります。 そのため一度、株主比率が下がってしまうと、それを回復するのはかなり困難となります。資金欲しさに初期の段階で大きな増資をするような場当たり的な資金調達をすると、後で抜き差しならない状態になります。ですから、初期の段階から株主構成と資金調達のバランスを考えて計画的に資金調達することが大事です。 資本政策に関する具体的な方法などについては、ここで書けるほどよく理解しているわけではないので省略しますが、私がこのセミナーの中で印象に残ったことを2つ挙げます。
ひとつは、まず「最初に事業計画ありき」ということです。これは、実現したい事業の目標を決め、それを具現化するためにどの段階でどれだけの資金が必要であるのかを綿密に練ったうえで資金調達を行うべきだ、ということです。実際には、手持ちの資金や調達可能な資金をもとに事業内容を決めることが多々ありますが、それでは順番が逆です。事業計画がしっかりしていれば、資金も調達しやすくなるとのことでした。 もっとも私の経験からすれば、創業準備段階あるいは創業を開始したばかりのころは、事業計画を立てること自体が難しく、立てても全くその通りには進まない、というのが普通ですから、あまり綿密に計画を立てるのもどうかと思いますが、融資にせよ投資にせよ事業計画書の提出は必要ですし、必要な資金量の目安をつけることも不可欠です。 何よりやりたい事業の幅を狭めないためにも、事業を始める前に十分なの資金を準備しておくことが大事です。そのためにも、早い段階で事業計画を立てるべきでしょう。
もうひとつ講義の中で印象に残ったのは、投資をあまり手広く受けるとそれだけリスクが高まるということです。株主比率が低下した場合でも、大株主がおらず分散して投資して貰えば経営権は維持されると考えるかもしれません。しかし、不用意に筋の悪いところからの投資を受けてしまうと、後々トラブルのもとになり、上場がしにくくなることがあるのだそうです。政治家の献金と同じですね。
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