びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第3回目に参加してきました。
「ベンチャー企業からグローバル企業へ」 講師は株式会社オウケイウェイヴ(OKWave) 代表取締役社長 兼元 謙任氏です。
OKWaveは、ホームページの説明によると、『利用者の方々からの「質問」と「回答」を通し、世の中のあらゆる問題の解決と、人と人の相互協力のリレーション作りを目指すQ&Aサイト』ということで、Q&Aを扱うサイトとしては国内最大手です。
今回もまたまた素晴らしい講演でした。前半は主に兼元氏自身の壮絶な半生について、後半はOKWaveの紹介や成功するための秘訣など、今回も盛りだくさんでした。 兼元氏の壮絶な半生については、「ホームレスからのリベンジ」などの著書を読んでいただければよいと思いますので、ここでは特に紹介しません。
今回の講演で最も強く私の心を捉えたのは、ボランティアベースのQ&Aサイトという普通に考えたらとても儲かりそうにないビジネスを多くの人に反対されながらも始めて、実際に成功したということです。 Q&Aのコミュニティサイトを作って、広告収入で儲けるという程度なら誰にでも思いつくことですが、現実的にそれだけで企業運営ができるとはちょっと考えにくいですし、そもそもそれでビジネスを行おうという発想が浮かびません。 私自身、Linux JFプロジェクトというFAQ集積や翻訳を行うプロジェクトを率いていたこともあるのですが、 こういった商売ができるなどとは夢にも思いませんでした。
やはり「助け合いの精神」を世に広めていきたいという、兼元氏の強い思いが成功の原動力であったのだと思います。会社を大きくしようとか大金持ちになろうというのではなく、世の中の役に立ちたいといった外向きの気持ちを持って経営してゆけば、まわりの人も手助けしてくれるようになるでしょうから、結果としてうまくゆくのでしょう。
それからもうひとつ、私が素晴らしいと思ったのは、世界にも目を向けて、世界中で助け合う方向性への展開を目指していることです。実際、すでに中国語版や英語版も作られています。 このことが何故素晴らしいのかというと、お互いに助け合うことで相互理解が進み、これまでいがみ合っていた国と国同士でも、平和的な友好関係が築けることが期待できるからです。
これまでにも世界的なコミュニティサイトは多数ありましたし、国や民族を超えたコミュニティが広がっているところもたくさんありますが、国同士や民族同士の友好関係にまで発展するほどの力を持つサイトはないように思います。というのは、一般的なコミュニティサイトは自由なコミュニケーションの場であり、良いことでも悪いことでも何でも話題にできます。相手の顔が見えない分、議論が過激になったり感情的になりやすく、誰かの悪口を言い合ったり口論になったりしやすいという負の側面もあります。中には、ストレスを発散するために、わざと他人の気分を害するようなことを書き込む人もいます。そのため、相互理解が進むどころか、対立を深めることさえあります。
一方、Q&Aサイトは基本的に助け合いの場ですから、罵り合うようなことは最初から生じにくい環境にあります。質問をする側が慇懃無礼な態度をとったときにそれを戒めたり、あるいは他の回答者と見解が異なる場合に口論になることはあるでしょうけれど、基本姿勢が役に立ちたいというところにあるので、大きな問題には発展しません。 OKWaveでは実験的に自動翻訳システムを用いて、多言語間のQ&Aのやりとりをしてみたとのことです。現在のシステムではまだまだ変な訳も多いようですが、Q&Aの内容を理解して意思疎通をはかる程度であれば、それなりに使えるということです。
日本を中心として、このような助け合いの場が大きく広がれば、日本が大きな国際貢献を果たすことができます。日本人は何でも受け入れる調和型の文化を持った世界的にも稀有な民族です。これまで言葉の壁や引っ込み思案な国民性により、一般市民レベルでの国際貢献はほとんどなされませんでしたが、OKWaveのような場を活用することで、簡単に世界の人々の役に立つことができます。非常に大きな可能性があります。
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