Home やってみログ 小野 びわ湖南部エリア・マネジメントスクールの第1回
2009.01.16 03:39:45
小野

びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第1回目に参加してきました。

 

初日の講演者は

 

 

のお二人です。

 

両者ともたいへん役に立つご講演でしたが、私が特に感銘を受けたのは渡部氏の講演でした。

たいへん内容の濃い講演でしたので、それらの全てをつぶさに報告することはできませんが、私が特に感銘したことのみについて、私の考えを踏まえて書きます。

 

渡部氏は売り上げで年15%の成長を必ず達成すると決意して、実際にそれを実現してきました。これは5年で2倍というペースです。年15%というのは、ベンチャー企業から見ればたいした成長率ではありませんが、一般的に成熟産業と思われるブライダル産業において、1965年以降今日に至るまで45年にも及ぶ年月において、綺麗な指数曲線を描いて目標を達成し続けてきたことについては、大変な驚きを感じます。

(参考:ワタベウエディングIR情報

このように書いても、何が凄いのか全く理解できない方も多いと思います。しかし考えてみてください。ブライダル産業は結婚する方々の人口層に大きな影響を受ける業界です。そして、ご存知のように、日本の人口層は世代により全く異なり大きな波があります。最近は婚姻組数が落ち込んできています。

(参考:厚生労働省統計

また、景気の影響は受けにくい業界かもしれませんが、バブルのころは盛大な挙式が多かったのに対し、近年では手作りのジミ婚が多くなっているように、影響を全く受けないわけでもありません。

また、一定割合での成長というのは、理論的な企業の成長曲線にも当てはまりません。一般的には、企業の成長曲線は創業後、軌道に乗り始めてから高い伸びを示し、成熟すると伸びが止まり、やがて衰退します。もちろん既得権に守られた業界などではずっと安定した成長をするところもありますし、逆にほとんど成長せずにすぐに潰れる会社もたくさんありますが、経済的な理論モデルとしてはこのような成長曲線をたどります。

(参考:http://www.i-kit.jp/biz/category/46/blog/5

このモデルに抗い企業が生き延びるにはイノベーションが必要です。例えば、Appleはかつて理論モデル的な成長曲線を辿って衰退しつつありましたが、iMacによって復興し、続いてiPodによってさらなる成長を遂げました。日本の企業でもカルロスゴーンによる改革で復興した日産のように、イノベーション(技術革新だけとは限りません)によって復興した企業はたくさんあります。

しかし、イノベーションというものはそんなり頻発するわけではありませんから、多くの場合一般的な成長曲線を波のように重なり合わせるようにして延命してゆきます。つまり必然的に凹凸ができます。

ワタベウェディングのすごいところは、そのような凹凸がほとんどないことです。もちろん小さな変動はありますが、ほとんどノイズと言えるものです。これは放漫な経営や場当たり的な経営をしていたら、絶対にありえないことですし、狙ってもなかなかできるものではありません。

 

渡部氏は「経営とは長距離走であり、短距離走ではない」と言います。景気が良いときには30%でも50%でも、頑張ればより高い成長率を達成することができますから、多くの企業は当然そのようにします。しかし、ワタベウェディングでは、そのようなときでも敢えて15%に抑えているわけです。周りが浮かれているときにも、周りが悲嘆しているときにもあくまでマイペース。なかなかできることではありません。

渡部氏は15%のペースを崩さないことによる具体的な効果についてまでは説明しませんでしたが、浮き沈みの大きな企業を反面教師とするとその効果を理解できます。多くの企業では、景気の良いときに設備投資に励み、そのときには多くの儲けを得るわけですが、景気の衰退とともに設備投資が負担となり、利益を大きく落とします。利益が落ちれば設備投資も小さくなるので売り上げも落ちます。

これは設備投資に限ったことではなく、人材の確保についても同じことが言えます。景気がいいときにはたくさんの人を雇い、悪いときには採用を絞ったり解雇したりするわけです。それに伴い、売り上げも当然増減します。

このような方法も、利益率が高く景気が良いときに内部留保を十分に上げられるか、銀行の融資が潤沢に得られる信用性の高い大企業であれば問題ないでしょう。しかし、多くの企業はそうではありません。景気が悪いときと企業の業績が悪いときが重なれば、苦しいときに銀行の融資は絞られ、増資もままなりません。そして、一時的であれ運転資金が滞り不渡りが出れば、黒字であっても将来有望であっても会社は潰れてしまいます。

そのため、浮き沈みなく一定の割合で成長することは、とても重要なことです。とはいえ、それを実現することは容易ではありません。すでに述べたように、放っておけば一般的な成長曲線に従ってやがて衰退します。

景気のよいときにも浮かれずに成長を抑え、苦しいときに必死になって成長をさせれば、一定の割合で成長させられるというものではありません。絶え間なきイノベーションがなければ、決して達成できないはずです。

また、暴走して儲け主義に走るような社員が現れても達成はできません。不正やリコールにより評判や信用を落とすような事件が起こっても、達成はかないません。つまり、あらゆる面で経営がコントロールできていなければ、一定割合での成長などできるはずがないのです。

 

それともうひとつ重要なのは、経営者が成長の限界を感じてあきらめてしまえばそれまで、ということです。特にワタベウェディングのように、小さいところから始め、初期の段階において15%という低い成長率であった企業は、自分の身の丈を小さく抑えてしまいがちであり、そこそこ成長すれば十分だと思うのが普通でしょう。

もちろん大きくなればよいというものでもありませんから、最初から大きな成長を望まないところはそれはそれでよいのです。しかし、大きな成長を望んでいる企業であっても、規模の拡大に伴って発生する壁にぶつかったとき、それを乗り越える努力や工夫をするのではなくて、それが自分の身の丈であると思い込んでしまうこともあるでしょう。そのような一種の諦めが成長を阻害することは、想像に難くありません。

渡部氏は、まだ小さかった家業を継いだときに、どうせやるなら日本一の企業を目指そうと決意したそうです。そして今、世界最高のブライダル企業を目指しています。志が高いのです。そして、どのような困難があっても決して諦めず、絶えず努力奮闘をしてきたのでしょう。ご本人はここまでに至る困難や苦労については全く語りませんでしたが、年率15%をキープした見事な曲線はそれを物語っているのです。

 

 

 

そんなことが、私が感銘を受けた理由であり勝手な解釈も入っているのですが、実際に渡部氏が講演で語った主な内容は、その15%の成長率を維持するための様々な工夫や取り組みでした。そのまま経営に活かすことができることばかりでした。

この講演内容をじっくり分析し、私も会社経営に活かしていきたいと思っています。

 

 



  経営修行中
 

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