小野



2011.03.10 17:55:14

恐ろしく久しぶりの更新です。

実は密かに別の場所でブログを展開しているからなんですが。

 

それはともかく、ビジネスカフェ「あきんどひろば」にて、税理士小川宗彦さんとの対談の様子が掲載されてました。

【起業家対談 滋賀のアントレプレナー!】 ズームスケープ編

うーむ。表情が堅いなぁ。


  
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2009.04.04 05:16:17

3月は完全にブログをお休みしてしまいました。
またぼちぼちと書いてゆこうと思います。

さて、4月に入ってついに従業員を1名雇うことになりました。たった1人とはいえ、これまで1人だけでやっていたわけですから戦力は2倍です。というか、1人ではできなかったことができるようになるわけですから、2倍どころじゃないですね。

さて、ここのところセミナーネタばかり書いてきましたが、そろそろ創業向けセミナーからは卒業してもよい頃でしょう。

最近は森林計測関係の新事業を興そうとしてまして、そのあたりのことを書いてゆくことが増えるかもしれません。
森林計測の内容としては、森林の中に入って立木一本一本を写真計測するというもので、弊社がメインに据えている三次元遠方写真計測からはちょっと外れます。少なくとも遠方計測ではないですからね。用いる機材も全然違います。でも技術内容はかなり近いです。

これからは遠方計測やデジタルフォトセオドライトには拘らないで、写真計測に関連した新しい技術に果敢にチャレンジしてゆくことになると思います。
ただし、写真計測なら何でもやるということではありません。これまでよく行われてきた一般的な航空写真測量や近接写真測量の類は敢えてやろうとは思いません。他の人がやってこなかったことをやりたいと思います。 まあ、依頼があれば何でもやるかもしれませんが。

それからもっと言えば、写真計測に関する業務だけに拘るつもりもありません。もちろん主軸は写真計測ですが、最近私がやりたいと思っているのは様々な分野や業界を繋ぐ仕事です。森林計測なんてのはまさにそういう仕事になります。なぜそうなのかについてはいずれ書こうと思います。

 


  森林 | 写真計測
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2009.02.24 06:11:02

ビジネスカフェあきんどひろばに久しぶりに参加してきました。

今回は女性起業セミナーということで、
株式会社Hibana 代表取締役  松田 直子氏のご講演で、テーマは
「木質資源を生かした地域作り、仲間作り」です。

女性起業セミナーということで、ちょっと躊躇したのですが、最近林業関連の計測を始めようとしていて、森林資源の利用方法を知る必要があったので、講演内容が興味深く参加することにしました。

主な講演内容は、松田さんが関わってきたNPO薪く炭くKYOTO(しんくたんくきょうと)の活動と株式会社Hibanaの紹介、燃料としての森林資源の利用についての紹介でした。
森林資源の利用というと、まず思い浮かべるのが木材としての利用、次に木製家具や小物への加工ですが、燃料としてもよく使われています。
薪く炭くKYOTOやHibanaでバイオマス燃料として木質資源に注目しているのは、ひとつには間伐材の有効利用ということ、もうひとつには専門業者でなくても加工が容易であるということ、また、消費者と直結しているということも大きいでしょう。

例えば、Hibanaでは薪やペレット、炭などのバイオマス燃料やペレットストーブや七輪などの道具を販売することで、生産者と消費者を結んでいます。薪は自分たちで加工もしています。また、バイオマス利用促進を図るための調査やセミナー・広報補助などを行っています。むしろ後者の事業が主ということで、単なる燃料屋さんではありません。

講演では、それぞれの木質バイオマスの性質やストーブやボイラーなどの利用例をわかりやすく話していただき、とても参考になりました。

女性起業家としてのこれまでのご経験についても話題が及びましたが、NPOと企業との違いといったことが中心でした。まだ起業して3年しか経っていない企業ですから、むしろこれからが勝負というところでしょうか。

さて、今回のビズカフェでよかったのは今後の森林資源の利用について、参加者が集まって議論することができたことです。これまでビズカフェに何度も参加してきましたが、このようなケースは初めてでした。
話題としては、琵琶湖森林づくり県民税の有効活用について、ペレットの供給体制についてなど、短い時間でしたが話が盛り上がりました。
今後もこのようなやり方で参加者の交流が深められるといいですね。

  経営修行中
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2009.02.22 06:36:24

びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第6回目に参加してきました。

講師はBIGLOBEキャピタル株式会社 シニアファンドマネージャー 久保真氏。

 

題目は「ベンチャー企業との連携 ~コーポレートベンチャーリングについて~」です。

コーポレートベンチャーリングというのは、大手の企業がベンチャー企業に対して資金提供をすることを言います。このようなベンチャーキャピタルをCVC(corporate venture captal)と呼びます。

一般のVCは、投資先の上場時の株式売買の利益をもとに経営しているのですが、CVCはスポンサーの企業をサポートしてもらうことを目的としてベンチャー企業に投資するので、必ずしも上場の株式売買益を狙っているわけではありません。

講師の久保氏には申し訳ありませんが、今回の講義はいまひとつでした。内容云々というよりは、講師の気持ちの問題であるような気がします。少なくとも、この機会に是非とも利用して欲しいとか、自分の理念をぜひ伝えたい、といった熱意は全く伝わってきませんでした。
今回に限らず普段の話し方がそんな感じなのかもしれませんが、ベンチャーキャピタルは言わば夢に投資する商売なのですから、熱く語れなければ投資先も尻ごみするでしょう。まあ、親会社がNECですから…。

 

とはいえ、講義内容そのものは勉強にはなりました。少なくとも大企業もベンチャー企業を必要としている、ということは起業家にとっては励みとなるのではないでしょうか。大企業といっても、BIGLOBそのものはYahoo!やGoogleと比べると小さいですから、同業他社である@Niftyなど同程度の規模のポータルサイト同士でアライアンスを組んだ話などは参考になりました。

今後の企業の在り方としては、規模の大小に関わらずいかにアライアンスを組んでコラボしてゆくのかがポイントとなるでしょうね。

大企業の論理からすれば、自分で技術開発するよりはベンチャー企業に投資して口出しした方が安上がり、ということもあるでしょう。単なる下請けとは違い、投資なら投資先を囲い込むことができますし、最終的に買収する道筋もつけられます。

ベンチャー企業としても、最終的にどこかに高値で身売りすることを目的としているようなところもありますから、そういった企業にとってはCVCの利用は有効でしょう。そうでないなら、囲い込まれないように気をつける必要があるでしょう。気が付いたら系列に組み込まれていて、自由な経営ができないということになったら、何のためにベンチャー企業を興したのかわからなくなります。

 

CVCがみな囲い込みや買収を目的に活動しているわけではないでしょうから、大企業から投資の話があったときには、その趣旨をよく理解して、株主比率もよく把握したうえで、投資を受けるかどうか判断すべきでしょう。

 

 


  経営修行中
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2009.02.22 05:21:48

報告が遅くなりましたが、びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第5回目に参加してきました。

講師はフューチャーベンチャーキャピタルの木村美都氏。

題目は「資金調達と資本政策」

 

今回はこれまでと違い、講義そのものといった感じでした。上場を目指す会社に対する資本政策が講義の中心で、こういた講義は創業段階ではなかなか聞く機会がないので、よい機会となりました。

木村氏は自分自身も起業に携わり投資を受ける立場となったこともあり、現在はVCで投資をする立場にあるという、投資を受ける側与える側の両者を経験したことがあるという稀有な方です。

ですから、VCの利益や実績を優先して投資をするというスタンスではなく、どのような戦略でどのようなタイミングで増資をするのが、その企業にとってひいてはVCにとって有効であるのかという視点で投資をされています。この基本的な方法論として、資本政策があるわけです。

 

資本政策とは株主構成と資金調達に関する長期計画のことです。株式会社は株式を発行して増資をするわけですが、それに伴い社長や役員の株主比率が低下します。社長や役員が2/3以上の株式を保有していれば、高い議決権を持ち自分が好きなように経営できます。そこまでいかなくても過半数を持っていれば、自分たちだけで会社の経営権を確保できます。しかし、それを下回れば大株主のコントロール下に置かれる可能性があります。

そのため一度、株主比率が下がってしまうと、それを回復するのはかなり困難となります。資金欲しさに初期の段階で大きな増資をするような場当たり的な資金調達をすると、後で抜き差しならない状態になります。ですから、初期の段階から株主構成と資金調達のバランスを考えて計画的に資金調達することが大事です。

資本政策に関する具体的な方法などについては、ここで書けるほどよく理解しているわけではないので省略しますが、私がこのセミナーの中で印象に残ったことを2つ挙げます。

 

ひとつは、まず「最初に事業計画ありき」ということです。これは、実現したい事業の目標を決め、それを具現化するためにどの段階でどれだけの資金が必要であるのかを綿密に練ったうえで資金調達を行うべきだ、ということです。実際には、手持ちの資金や調達可能な資金をもとに事業内容を決めることが多々ありますが、それでは順番が逆です。事業計画がしっかりしていれば、資金も調達しやすくなるとのことでした。

もっとも私の経験からすれば、創業準備段階あるいは創業を開始したばかりのころは、事業計画を立てること自体が難しく、立てても全くその通りには進まない、というのが普通ですから、あまり綿密に計画を立てるのもどうかと思いますが、融資にせよ投資にせよ事業計画書の提出は必要ですし、必要な資金量の目安をつけることも不可欠です。

何よりやりたい事業の幅を狭めないためにも、事業を始める前に十分なの資金を準備しておくことが大事です。そのためにも、早い段階で事業計画を立てるべきでしょう。

 

もうひとつ講義の中で印象に残ったのは、投資をあまり手広く受けるとそれだけリスクが高まるということです。株主比率が低下した場合でも、大株主がおらず分散して投資して貰えば経営権は維持されると考えるかもしれません。しかし、不用意に筋の悪いところからの投資を受けてしまうと、後々トラブルのもとになり、上場がしにくくなることがあるのだそうです。政治家の献金と同じですね。

 


  経営修行中
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2009.02.10 18:01:55

インキュベーションウィーク関西のプレゼン大会に参加してきました。
top.jpg
15分のプレゼンですから、たいしたことはしゃべれません。
結構タイトのスケジュールなので制限時間をきっちり守るようにとのお達しがありましたが、後半は飛ばしてもいいやというつもりで、資料は多めに作っておいて、制限時間めいっぱい使ってしゃべり倒したという感じです。

技術系の企業にありがちな、技術紹介や商品紹介に終始して、聞く方がウンザリするようなプレゼンとならないよう工夫しました。技術紹介はあっさりとしたものにして、それをこんなことに応用できて、こんなビジネス展開が可能だ、といった夢を語るようなものにしました。

インキュベーション施設の利用者とマネージャーが集まる場であり、うちにとっての直接的な顧客やパートナーとなる方はそうそういないだろうと思って実はあまり期待していなかったのですが、興味を持ってくれた方もそれなりにいらっしゃって、プレゼンの後に良い話もできました。新たなビジネス展開に繋がりそうです。

他の方のプレゼンもいくつか聞きにいきましたが、いろんな新ビジネスがあってなかなか面白かったです。その多くは技術やビジネスモデルがしっかりしていて、将来性が感じられました。とはいっても、上場に至る
ほどの可能性を持った画期的な新ビジネスということになると、わかりませんが。
4つの会場で並行してプレゼンが行われるのと、発表者は結構拘束されるということもあって、私が聞くことができたのはわずかです。私が聞けなかった発表の中に、素晴らしい可能性を持った企業や連携できそうな企業もあったかもしれません。
せっかくの機会ですから、発表者が他の方の発表を聞く機会をもう少し増やすよう工夫があればよかったと思います。

発表後に、交流会もありました。交流会も100名を超える参加者があって大いに盛り上がりました。
こういうイベントは今後も続けて欲しいですね。

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2009.02.10 17:38:04

書き込みが遅くなりましたが、2月4日

講演者は京都大学 特任教授 児玉 充晴氏です。
「上手な業績評価と社員のモチベーション向上法」

講演内容は中部大学の夏期集中講座の内容(4コマ分)を集約したもので、
その出張講義という位置づけでした。
従って、これまでにも増して内容が濃いものでした。
心理学を活かしたコミュニケーションのテクニックなど社員のマネージメント
に関することについて、主なところをざっと紹介したという感じでした。

それにしても、児玉先生の見事な語り口、本当に面白かったです。
大学の先生がみんなこんな風に授業ができたら、大学も変わるで
しょうね。会社の役員向けの講義もいいけれど、大学の先生向けの
教育に取り入れて欲しいと思いました。

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2009.01.29 17:00:11

びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第3回目に参加してきました。

「ベンチャー企業からグローバル企業へ」

講師は株式会社オウケイウェイヴ(OKWave) 代表取締役社長 兼元 謙任氏です。

 

OKWaveは、ホームページの説明によると、『利用者の方々からの「質問」と「回答」を通し、世の中のあらゆる問題の解決と、人と人の相互協力のリレーション作りを目指すQ&Aサイト』ということで、Q&Aを扱うサイトとしては国内最大手です。

 

今回もまたまた素晴らしい講演でした。前半は主に兼元氏自身の壮絶な半生について、後半はOKWaveの紹介や成功するための秘訣など、今回も盛りだくさんでした。

兼元氏の壮絶な半生については、「ホームレスからのリベンジ」などの著書を読んでいただければよいと思いますので、ここでは特に紹介しません。

 

今回の講演で最も強く私の心を捉えたのは、ボランティアベースのQ&Aサイトという普通に考えたらとても儲かりそうにないビジネスを多くの人に反対されながらも始めて、実際に成功したということです。

Q&Aのコミュニティサイトを作って、広告収入で儲けるという程度なら誰にでも思いつくことですが、現実的にそれだけで企業運営ができるとはちょっと考えにくいですし、そもそもそれでビジネスを行おうという発想が浮かびません。

私自身、Linux JFプロジェクトというFAQ集積や翻訳を行うプロジェクトを率いていたこともあるのですが、

こういった商売ができるなどとは夢にも思いませんでした。

 

やはり「助け合いの精神」を世に広めていきたいという、兼元氏の強い思いが成功の原動力であったのだと思います。会社を大きくしようとか大金持ちになろうというのではなく、世の中の役に立ちたいといった外向きの気持ちを持って経営してゆけば、まわりの人も手助けしてくれるようになるでしょうから、結果としてうまくゆくのでしょう。

 

それからもうひとつ、私が素晴らしいと思ったのは、世界にも目を向けて、世界中で助け合う方向性への展開を目指していることです。実際、すでに中国語版や英語版も作られています。

このことが何故素晴らしいのかというと、お互いに助け合うことで相互理解が進み、これまでいがみ合っていた国と国同士でも、平和的な友好関係が築けることが期待できるからです。

 

これまでにも世界的なコミュニティサイトは多数ありましたし、国や民族を超えたコミュニティが広がっているところもたくさんありますが、国同士や民族同士の友好関係にまで発展するほどの力を持つサイトはないように思います。というのは、一般的なコミュニティサイトは自由なコミュニケーションの場であり、良いことでも悪いことでも何でも話題にできます。相手の顔が見えない分、議論が過激になったり感情的になりやすく、誰かの悪口を言い合ったり口論になったりしやすいという負の側面もあります。中には、ストレスを発散するために、わざと他人の気分を害するようなことを書き込む人もいます。そのため、相互理解が進むどころか、対立を深めることさえあります。

 

一方、Q&Aサイトは基本的に助け合いの場ですから、罵り合うようなことは最初から生じにくい環境にあります。質問をする側が慇懃無礼な態度をとったときにそれを戒めたり、あるいは他の回答者と見解が異なる場合に口論になることはあるでしょうけれど、基本姿勢が役に立ちたいというところにあるので、大きな問題には発展しません。

OKWaveでは実験的に自動翻訳システムを用いて、多言語間のQ&Aのやりとりをしてみたとのことです。現在のシステムではまだまだ変な訳も多いようですが、Q&Aの内容を理解して意思疎通をはかる程度であれば、それなりに使えるということです。

 

日本を中心として、このような助け合いの場が大きく広がれば、日本が大きな国際貢献を果たすことができます。日本人は何でも受け入れる調和型の文化を持った世界的にも稀有な民族です。これまで言葉の壁や引っ込み思案な国民性により、一般市民レベルでの国際貢献はほとんどなされませんでしたが、OKWaveのような場を活用することで、簡単に世界の人々の役に立つことができます。非常に大きな可能性があります。


  経営修行中
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2009.01.22 10:13:39

びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第2回目の講演に参加してきました。

講師は株式会社エフアンドエムの代表取締役社長 森中一郎氏です。

タイトルは上場の体験談、ということでしたが、上場そのものよりは起業から上場に至るまでの様々なエピソードを中心とした講演でした。参考になるばかりでなく、トークもとても面白く楽しみながら聞けました。前回の渡部氏の講演も内容が濃くて素晴らしかったですが、今回も多くの学びがありました。

全てを書くのは無理なので、今回もひとつだけピックアップしましょう。

 

「事業を興すというのはそもそも大変なことである」

当たり前という人もいるかもしれませんが、多くの方は甘く見ていると思います。森中氏は10個の事業を興してうまくいくのは1つか2つ、とおっしゃってました。実際、ベンチャー企業を興して5年後に残っているのは10社に1,2社程度と言われますから、たしかにそのくらいの率でしょうね。

だから、成功するにはいろいろやってみなきゃいけないし、ひとつや二つ失敗したからといってくよくよすることはないのです。ひとつの事業に拘り続けて、全てをそれに注ぎ込むようなやり方は破綻のもとです。だから引き際を考えることも大切です。なにより、ちょっと躓いてもへこたれない根性、あるいは気持ちの持ち方こそが大事なのです。

 

ひとつのことを徹底して追及する姿勢こそ大切であり、あれこれ中途半端に手を出してどれもモノにならないのでは仕方がない、ということを主張する人もいるでしょう。しかし、私は会社経営に関する限りは必ずしもそうとは言えないと思います。大事なのは、何を目標として事業を行うのかという理念であり、そこが揺らがないのであれば、個々の事業内容が変化すること自体は問題ないだろうと思います。

 

前回の渡部氏の講演についてのブログにも書いたように、企業が成長を持続するためには小さなイノベーションを絶え間なく続けていく必要があります。イノベーションとは、新しいことへの挑戦であり、異質なものとの出会いです。その意味では、エフアンドエムがやっていることは理にかなっています。

 

とはいえ、儲けや規模の拡大ばかり考えて、事業内容が目標や理念から遠ざかり、迷走するようになると危険です。講演の後で、受講生の何人かの方と食事がてら飲みに行ったのですが、エフアンドエムの事業に一貫性がないことに対して疑問を呈した方がおられました。私は講演の中ではそのような疑問を感じませんでしたが、調べてみるとエフアンドエムの事業展開は確かに迷走している部分があります。

 

森中氏が起業を志した背景には、日本の中小企業の利益を向上させたい、という思いがあったといいます。そのために、「サービスの水道哲学」を会社の経営理念として掲げています。大企業向けに提供されている法人向けの高額なサービスを、中小企業や個人事業者でも利用できるように、低額なサービスとして提供してゆくということを目的としているわけです。

 

創業期の金融業向けのフラワーギフト事業はともかく、その後は生命保険販売員向けの記帳サービス、総務向けの情報提供サービスなど、基本的には中小企業や個人事業者向けのサービスを展開しています。

ところが、その一方で一般向けのパソコン教室をやっていたり、傘下と思われる某社ではマルチまがいの商法をやっているとしてネット上で問題視されたりと、講演で話さなかったところで迷走しているところがずいぶんあるようです。講演の中でも矯正下着の販売に手を出して失敗したエピソードも披露されていましたが、これなども経営理念とずいぶん離れており迷走した例のひとつです。パソコン教室はまだいいのですが、直接運営しているわけではないとはいえ、倫理上問題があるような企業と関連しているのは大きなリスク要因です。

 

大きな資本や設備、背景となる技術や知識や既得権益を持たずに、知恵と工夫で上場企業に育て上げた森中氏の技量には学ぶべきところが多いのですが、他の多くの新興企業にも見られる脇の甘さは長期の企業経営を目指すうえでは反面教師とすべきでしょう。

 

脇の甘さは財務状況にも反映されますので、財務状況を見てみると、総売り上げ、経常利益ともに、上場に至るまでの伸びと比べると上場後はあまり伸びておらず、上下変動も結構あります。上場直後の第11期は売上高35.55億円、経常利益6.14億円に対して第18期は売上高39.40億円、経常利益4.56億円です。第16期に売上高46.72億円、経常利益7.74億円と最高の業績を上げているのと比較すると、最近の業績の落ち込みは大きいです。新機軸となるべきタックスハウス事業での躓きが大きく、現在は壁に突き当たっているようです。

 

とはいえ、自己資産比率も順調に上がっていますし、財務指標全体が悪いわけではありません。注目すべきは利益率の高さです。中小企業や個人事業主を主要な顧客として安価なサービスを提供しているので、もっと利益率は低いだろうと思っていたのですが、かなり効率的な経営をしているようです。

サービス業における最大の固定費は人件費ですが、事業規模に対して従業員の数が少なく、しかも平均年齢も若いですから、人件費を低く抑えられていることが利益率の高さにつながっているのでしょう。ただし、今後次第に平均年齢が上がると、人件費が利益を圧迫する可能性があります。また、営業部門の効率を追求しすぎると、マルチまがいの商法に手を出すような危険性も増えます。

 

いろいろ書きましたが、今後の展開を期待したいと思います。

 


  経営修行中
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2009.01.16 03:39:45

びわ湖南部エリア・マネジメントスクール2008の第1回目に参加してきました。

 

初日の講演者は

 

 

のお二人です。

 

両者ともたいへん役に立つご講演でしたが、私が特に感銘を受けたのは渡部氏の講演でした。

たいへん内容の濃い講演でしたので、それらの全てをつぶさに報告することはできませんが、私が特に感銘したことのみについて、私の考えを踏まえて書きます。

 

渡部氏は売り上げで年15%の成長を必ず達成すると決意して、実際にそれを実現してきました。これは5年で2倍というペースです。年15%というのは、ベンチャー企業から見ればたいした成長率ではありませんが、一般的に成熟産業と思われるブライダル産業において、1965年以降今日に至るまで45年にも及ぶ年月において、綺麗な指数曲線を描いて目標を達成し続けてきたことについては、大変な驚きを感じます。

(参考:ワタベウエディングIR情報

このように書いても、何が凄いのか全く理解できない方も多いと思います。しかし考えてみてください。ブライダル産業は結婚する方々の人口層に大きな影響を受ける業界です。そして、ご存知のように、日本の人口層は世代により全く異なり大きな波があります。最近は婚姻組数が落ち込んできています。

(参考:厚生労働省統計

また、景気の影響は受けにくい業界かもしれませんが、バブルのころは盛大な挙式が多かったのに対し、近年では手作りのジミ婚が多くなっているように、影響を全く受けないわけでもありません。

また、一定割合での成長というのは、理論的な企業の成長曲線にも当てはまりません。一般的には、企業の成長曲線は創業後、軌道に乗り始めてから高い伸びを示し、成熟すると伸びが止まり、やがて衰退します。もちろん既得権に守られた業界などではずっと安定した成長をするところもありますし、逆にほとんど成長せずにすぐに潰れる会社もたくさんありますが、経済的な理論モデルとしてはこのような成長曲線をたどります。

(参考:http://www.i-kit.jp/biz/category/46/blog/5

このモデルに抗い企業が生き延びるにはイノベーションが必要です。例えば、Appleはかつて理論モデル的な成長曲線を辿って衰退しつつありましたが、iMacによって復興し、続いてiPodによってさらなる成長を遂げました。日本の企業でもカルロスゴーンによる改革で復興した日産のように、イノベーション(技術革新だけとは限りません)によって復興した企業はたくさんあります。

しかし、イノベーションというものはそんなり頻発するわけではありませんから、多くの場合一般的な成長曲線を波のように重なり合わせるようにして延命してゆきます。つまり必然的に凹凸ができます。

ワタベウェディングのすごいところは、そのような凹凸がほとんどないことです。もちろん小さな変動はありますが、ほとんどノイズと言えるものです。これは放漫な経営や場当たり的な経営をしていたら、絶対にありえないことですし、狙ってもなかなかできるものではありません。

 

渡部氏は「経営とは長距離走であり、短距離走ではない」と言います。景気が良いときには30%でも50%でも、頑張ればより高い成長率を達成することができますから、多くの企業は当然そのようにします。しかし、ワタベウェディングでは、そのようなときでも敢えて15%に抑えているわけです。周りが浮かれているときにも、周りが悲嘆しているときにもあくまでマイペース。なかなかできることではありません。

渡部氏は15%のペースを崩さないことによる具体的な効果についてまでは説明しませんでしたが、浮き沈みの大きな企業を反面教師とするとその効果を理解できます。多くの企業では、景気の良いときに設備投資に励み、そのときには多くの儲けを得るわけですが、景気の衰退とともに設備投資が負担となり、利益を大きく落とします。利益が落ちれば設備投資も小さくなるので売り上げも落ちます。

これは設備投資に限ったことではなく、人材の確保についても同じことが言えます。景気がいいときにはたくさんの人を雇い、悪いときには採用を絞ったり解雇したりするわけです。それに伴い、売り上げも当然増減します。

このような方法も、利益率が高く景気が良いときに内部留保を十分に上げられるか、銀行の融資が潤沢に得られる信用性の高い大企業であれば問題ないでしょう。しかし、多くの企業はそうではありません。景気が悪いときと企業の業績が悪いときが重なれば、苦しいときに銀行の融資は絞られ、増資もままなりません。そして、一時的であれ運転資金が滞り不渡りが出れば、黒字であっても将来有望であっても会社は潰れてしまいます。

そのため、浮き沈みなく一定の割合で成長することは、とても重要なことです。とはいえ、それを実現することは容易ではありません。すでに述べたように、放っておけば一般的な成長曲線に従ってやがて衰退します。

景気のよいときにも浮かれずに成長を抑え、苦しいときに必死になって成長をさせれば、一定の割合で成長させられるというものではありません。絶え間なきイノベーションがなければ、決して達成できないはずです。

また、暴走して儲け主義に走るような社員が現れても達成はできません。不正やリコールにより評判や信用を落とすような事件が起こっても、達成はかないません。つまり、あらゆる面で経営がコントロールできていなければ、一定割合での成長などできるはずがないのです。

 

それともうひとつ重要なのは、経営者が成長の限界を感じてあきらめてしまえばそれまで、ということです。特にワタベウェディングのように、小さいところから始め、初期の段階において15%という低い成長率であった企業は、自分の身の丈を小さく抑えてしまいがちであり、そこそこ成長すれば十分だと思うのが普通でしょう。

もちろん大きくなればよいというものでもありませんから、最初から大きな成長を望まないところはそれはそれでよいのです。しかし、大きな成長を望んでいる企業であっても、規模の拡大に伴って発生する壁にぶつかったとき、それを乗り越える努力や工夫をするのではなくて、それが自分の身の丈であると思い込んでしまうこともあるでしょう。そのような一種の諦めが成長を阻害することは、想像に難くありません。

渡部氏は、まだ小さかった家業を継いだときに、どうせやるなら日本一の企業を目指そうと決意したそうです。そして今、世界最高のブライダル企業を目指しています。志が高いのです。そして、どのような困難があっても決して諦めず、絶えず努力奮闘をしてきたのでしょう。ご本人はここまでに至る困難や苦労については全く語りませんでしたが、年率15%をキープした見事な曲線はそれを物語っているのです。

 

 

 

そんなことが、私が感銘を受けた理由であり勝手な解釈も入っているのですが、実際に渡部氏が講演で語った主な内容は、その15%の成長率を維持するための様々な工夫や取り組みでした。そのまま経営に活かすことができることばかりでした。

この講演内容をじっくり分析し、私も会社経営に活かしていきたいと思っています。

 

 


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