| 望遠レンズと被写界深度 |
望遠レンズと被写界深度被写界深度とは、ピントが合って見える撮影距離の範囲のことです。 被写界深度には以下のような関係があります。
このように、焦点距離が大きくなると被写界深度が浅くなるのです。 被写界深度を深くするには絞りを出来る限り絞ればよいわけですが、そうすると写真は暗くなります。明るさを補うには、感度を上げるかシャッタースピードを落とす(露光時間を延ばす)必要がありますが、感度を落とせばノイズが増えるなど画質が落ちます。また、シャッタースピードを落とせば手ブレや被写体ブレが増えます。 人工衛星画像のように、撮影距離が大きく(600~800km)、被写体の高さの差(~8km)が相対的に小さくなる場合であれば被写界深度は相対的には深いといえます。ですから、人工衛星画像では望遠撮影でも問題がないのです。 一方、地上から撮影する場合、特に地形を計測するような場合を考えると、被写体の奥行き方向の距離の差はとても大きくなり、それがそのまま撮影距離となります。このような場合には被写界深度の問題は極めて致命的です。 人間が行っているように、対象ごとにピントあわせを行えばよいのではないかと考えるかもしれません。カメラにもAFがあります。撮影距離に応じてピント合わせをして、合成するのです。 このような理由から、写真計測では望遠レンズは通常用いられてこなかったのです。 解決方法三脚の上にカメラをしっかりと固定したうえで、最大限に絞りを絞って撮影します。このとき、露光が適正となるようにシャッタースピードを遅くしますが、三脚上にしっかり乗っていれば手ブレの問題はありません。 また、被写体に近づきすぎるとピンボケしやすくなるので、近づきすぎないよう配慮します。 広域の地形測量のように、近い場所と遠い場所の両方を撮影しなければならない場合には、2段階程度でピントを調整します。リコーのコンパクトカメラのように、スナップ用と風景用(∞遠モード)の切り替え機能がある場合は、それを利用します。一眼レフカメラでは、近接部分については広角レンズを、それ以外については望遠レンズを用い、取り替えて両方で撮影する方法が合理的です。 弊社が提案するデジタルフォトセオドライトを用いた手法では、パノラマ状に連続撮影したシーン単位で焦点距離が固定されていれば、別々のシーンに対しては焦点距離が異なっていても構わないようになっています。つまり、MF機能を搭載していないカメラであっても、フォーカスロックがかかるのであれば、利用可能となっています。また、ズームレンズを利用してシーンごとに倍率を変えて撮影することもできます。 (写真計測と中心投影歪に続く) (望遠レンズの利点と欠点に戻る) |
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